僕が自信を持っておすすめするのは、Lori Scaccoの『Circles』(2004 Eastern Developments / 2014 PLANCHA)です。人生で一番好きなアルバムですね。
タワーレコード新宿店に通っていた10年前、10階のニューエイジとかアンビエントのコーナーで試聴しまくっていたときに出会い、すぐにCDを買おうと思ったのを覚えています。
もともとアメリカでシューゲイザーバンドをやっていた方のソロ音源で、ビートのないシンプルで穏やかなアルバムになっています。アコースティックギターやピアノ、エレピ、アップライト・ベースなどを用いていて、それぞれの音の響きへのこだわりも感じますね。テンポは自由というか、自然体で演奏している魅力的な余白を充分に味わえます。
ゆっくりしたいときや落ち込んだときに聴いたり、逆にテンションが高いときに聴いたりもしてますね。自分の感覚をフラットにしてくれる、自分の自然体を取り戻せる音楽になっています。
年月が経ち感覚が変化していくなかで、このアルバムは今までどのタイミングで聴いてもいいなと思えたんです。だからこの先も自分を自然体にさせてくれるという予感がしていますね。死ぬまで聴くだろうと。それくらい僕にとっては特別な1枚です。
アーティスト情報
Lori Scacco
アメリカ・ニューヨークを拠点とする作曲家・プロデューサー。持続的なトーン・クラスター、電子音の共鳴、メロディー、反復、破壊的な信号処理を組み込んだ作品は、ミニマリズムに基づきつつも物語性のある伝統に根ざしている。音楽とサイトスペシフィックなインスタレーションは、アート、映画、古典舞踊、パフォーマンスの領域にまで広がっている。
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PROJECTIONS OF A CORAL CITY
CORAL MORPHOLOGIC & NICK LEON
柔らかい音像の中を、クラゲやサンゴになって流れに身を委ねているような、海の静けさやゆらめきを感じさせる音楽ですね。
Moskitoo
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Tumbling Towards A Wall
Ulla
厭世的なのに人肌も同時に感じて、水の中で空を眺めているような気持ちになります。
aus
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death has light
別野加奈
圧倒的な白い光の中で、生命としての熱や発光を見つめ、受け止めてくれる。
石松豊
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aruk
baobab
自分を取り戻せるような音楽は大切な存在として、長く、ときどき聴くことになっていくのだ。
石松豊
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ARTIST 9
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ARTIST 8
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生活風景に
穏やかな音楽を
『Ucuuu』は、穏やかな音楽のある生活風景を紹介するAmbient Lifescape Magazine(アンビエント・ライフスケープ・マガジン)です。
アンビエント、エレクトロニカ、インストゥルメンタル、アコースティックギターやピアノなど、「穏やかな音楽」は日常にBGMのように存在しています。
木漏れ日のように、日常に当たり前のようにありながらも強く認識はせず、でも視線を向けると美しさに心癒されるような「穏やかな音楽」の魅力を多面的に発信しています。