直近2〜3年の自分の感覚にフィットしていると感じるのは、映画『ドライブ・マイ・カー』のサントラ・石橋英子さんの『Drive My Car Original Soundtrack』(2021 NEWHERE MUSIC / SPACE SHOWER MUSIC)です。
ピアノを前に出した感じのシンプルなバンド編成の音が主体で、曲によりストリングスが入ったりする普遍的な音のイメージなんですけど、独特な柔らかい世界観で。今まであまりなかったタイプの音楽だなと感じていて、ちょっと憧れる感じもありますね。
石橋英子さんの音楽は映画をきっかけに知ったんですけど、映画を見終わってからもこのサントラをずっと聴いていて。もともとサブスクで聴いていたんですけど、好きすぎて今年からカセットテープを買って聴くようになりました。カセットは電池が減ってくると再生速度が揺れたり、B面に裏返す手間がかかったりしますが、手触り感があるというか、サブスクよりも音楽を聴いてるという意識が強く感じられますね。
最近では寝る前に小さめの音量で聴くことが多いです。穏やかな気持ちで眠れるというか、睡眠の質が上がっているとすら感じるくらい、ぐっすりと眠れていますね。
アーティスト情報
石橋英子
茂原市出身の音楽家。いくつかのバンドで活動後、映画音楽の制作をきっかけとして数年前よりソロとしての作品を作り始める。その後、6枚のソロアルバムをリリース。各アルバムが音楽雑誌の年間ベストに選ばれるなど高い評価を受ける。ピアノをメインとしながらドラム、フルート、ヴィブラフォン等も演奏するマルチ・プレイヤー。シンガー・ソングライターであり、セッション・プレイヤー、プロデューサーと、石橋英子の肩書きでジャンルやフィールドを越え、漂いながら活動中。最近では七尾旅人、前野健太、OGREYOUASSHOLE、星野源などの作品やライブに参加。またソロライブと共に、バンド「石橋英子withもう死んだ人たち(ジム・オルーク、須藤俊明、山本達久、波多野敦子)」としても活発にライブを行う。4thAl「imitationoflife」、そして2014年リリースの最新作「carandfreezer」は米・名門インディレーベル「DragCity」から全世界リリースされている。
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PROJECTIONS OF A CORAL CITY
CORAL MORPHOLOGIC & NICK LEON
柔らかい音像の中を、クラゲやサンゴになって流れに身を委ねているような、海の静けさやゆらめきを感じさせる音楽ですね。
Moskitoo
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Tumbling Towards A Wall
Ulla
厭世的なのに人肌も同時に感じて、水の中で空を眺めているような気持ちになります。
aus
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death has light
別野加奈
圧倒的な白い光の中で、生命としての熱や発光を見つめ、受け止めてくれる。
石松豊
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aruk
baobab
自分を取り戻せるような音楽は大切な存在として、長く、ときどき聴くことになっていくのだ。
石松豊
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ARTIST 9
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ARTIST 8
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穏やかな音楽を
『Ucuuu』は、穏やかな音楽のある生活風景を紹介するAmbient Lifescape Magazine(アンビエント・ライフスケープ・マガジン)です。
アンビエント、エレクトロニカ、インストゥルメンタル、アコースティックギターやピアノなど、「穏やかな音楽」は日常にBGMのように存在しています。
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