DISC GUIDE
空も少し
Paniyolo + 渡辺明応
スティールパンの音が好きなんですよね。すごく光を感じる音というか。光を音にしたら、あんな音がするんじゃないかな。
「穏やかな音楽」をより意識するようになったのは、Paniyoloさんとの出会いが大きいですね。どのアルバムも好きですが、『空も少し』(2019 Schole Records)は、リリース記念イベントで映像演出を担当したこともあり、特に思い入れがあります。
『空も少し』は、ナイロン弦の柔らかなギターを奏でるPaniyoloさんと、スティールパン奏者の渡辺明応さんによるダブルネーム・アルバム。版画家の平岡瞳さんによるアートワークも素敵です。
あと単純に、スティールパンの音が好きなんですよね。すごく光を感じる音というか。光を音にしたら、あんな音がするんじゃないかな。貧しく楽器がなかった中で、ドラム缶を叩いて生まれたスティールパン。逆境の中で美しい音をつくり出してきた歴史的背景にも惹かれます。
聴くときは、PCに向かって仕事をしている時が多いですね。急ぐ必要があるときも、ゆっくりした音楽が流れてる方が気持ちが柔らかくなる気がします。
最近は、障がいのある方を芸術を通してサポートするNPOや地域の劇団からのデザイン依頼が増えているのですが、そういうデザインをつくるときに、少しでもあたたかな想いが伝わるといいなと思っていて。穏やかな音楽を流すことで気持ちを整えたり、少し温度が上がったりと、音楽が力をくれている部分もあると思います。
アーティスト情報
Paniyolo
ギタリスト高坂宗輝のソロプロジェクト。82年福島県出身。2006年12月、下北沢でのライブからPaniyoloの活動を開始。音楽レーベルSCHOLE(スコーレ)からギターアルバムをいくつか発表している。主な作品は、中村大史(tricolor, John John Festival)をゲストギタリストに迎えた 「たまのこと」。スティールパン奏者、渡辺明応(WAIWAI STEEL BAND)との「空も少し」。 Cantusの太田美帆との「空と花」など。他にも、配信作品を多数発表。音と音の「間」を大切にしながら演奏しています。
アーティスト情報
渡辺明応
スティールパン、ギター・ウクレレなどマルチ弦楽器奏者。2009年、WAIWAI STEEL BANDに加入。 スティールパン発祥地トリニダード・トバゴへ2017年に渡航。初のソロアルバム『in my room』を2018年5月に発表。ギタリストのPaniyoloとのデュオアルバム『空も少し』を2019年10月にリリース。共同制作も積極的に行っており、n’sawa-saracaとのLo-Fi Projectでは、Lo-Fiビートにキーボードとスティールパンを融合させ、独自の世界を作り上げている。明るい人柄と柔らかい音楽性を所望する声も多く、楽曲制作やライブサポートにも尽力を惜しまない一面を持つ。
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PROJECTIONS OF A CORAL CITY
CORAL MORPHOLOGIC & NICK LEON
柔らかい音像の中を、クラゲやサンゴになって流れに身を委ねているような、海の静けさやゆらめきを感じさせる音楽ですね。
Moskitoo
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Tumbling Towards A Wall
Ulla
厭世的なのに人肌も同時に感じて、水の中で空を眺めているような気持ちになります。
aus
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death has light
別野加奈
圧倒的な白い光の中で、生命としての熱や発光を見つめ、受け止めてくれる。
石松豊
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aruk
baobab
自分を取り戻せるような音楽は大切な存在として、長く、ときどき聴くことになっていくのだ。
石松豊
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ARTIST 9
2025.01.11
Moskitooが紡ぎたい、意味を超えた世界につながる音楽。好きな書籍から紐解く「音と言葉の関係性」
刺繍と詩集、語られざる詩片。11年ぶりの3rd アルバム『Unspoken Poetry』の制作背景
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ARTIST 8
2024.12.05
ausが茶室でインスタレーションを行う理由。ずっと大切にしてきた「音楽との出会い方」への探究心を語る
楽曲作品やイベント制作、レーベル・FLAUの運営と並行してインスタレーションを行う理由
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REPORT 3
2024.12.02
本の読める店 fuzkueで4時間超のBGM演奏。Tomotsugu Nakamura出演『読書と静かな即興演奏 vol.2』レポート
2024/11/9開催『Music For The Story III – 読書と静かな即興演奏 - vol.2』のイベントレポート
ABOUT
生活風景に
穏やかな音楽を
『Ucuuu』は、穏やかな音楽のある生活風景を紹介するAmbient Lifescape Magazine(アンビエント・ライフスケープ・マガジン)です。
アンビエント、エレクトロニカ、インストゥルメンタル、アコースティックギターやピアノなど、「穏やかな音楽」は日常にBGMのように存在しています。
木漏れ日のように、日常に当たり前のようにありながらも強く認識はせず、でも視線を向けると美しさに心癒されるような「穏やかな音楽」の魅力を多面的に発信しています。