Ucuuu

DISC GUIDE

bitter sweet

sawako

引用:12k

水面の揺らぎや木漏れ日のような、キラキラとした光のカケラを感じます。

石松豊

石松豊

sawakoさんの訃報を受けて、書かなくちゃと思って書いています。sawakoさんのアルバムで何度も聴いたのが4枚目の『bitter sweet』(2008 12k)。多くの人に聴いて欲しい名盤です。

特に2曲目の『April-From Sea Shell (with Radiosonde)』は、日常にある環境音と、ふわりとした電子音が白昼夢のように混ざり合う美しい音風景に。立体的でぬくもりのあるサウンドから、水面の揺らぎや木漏れ日のような、キラキラとした光のカケラを感じます。

日曜日の午後や、ぽっかりとした気持ちの夜に、ぜひ聴いて欲しいです。

sawakoさんは自由大学・DIYミュージック講座を機に関わりが増えましたが、自分のような”普通の音楽好き”が音楽を作ることに対して、とても前向きに背中を押してくださるだけでなく、短絡的な手法に頼らず音に向き合う感覚を養うことや、人が音で繋がるコミュニティデザインの視点についてなど、様々な問いを投げかけてくださりました。

最近より興味を増したフィールドレコーディングに関する視点について、また話を伺いたいと思っていた最中の訃報でした。どうぞ安らかに。

アーティスト情報

sawako

名古屋出身、東京とニューヨークに6年ずつ在住後、ノマディックに活躍中の音響作家、メディアアーティスト。sound sculptor、signal alchemist。デジタル技術を用いながらオーガニックで瑞々しい世界感を紡ぐsawakoの作品は、これまで英国のWire誌や米国のNYArt誌などにとりあげられてきた。日常の小さな断片をきりとって、フィールドレコーディングや電子音が織りなす、様々な情景のうつろう懐かしくて少し切ない凛とした空気感を紡ぐ。親しみやすい穏やかな音景によって「microsound」「lawercase sound」とよばれていたジャンルの裾野を広げることに貢献する一方、その硬派でゆるぎない独特の世界感とテクノロジーに関する洞察力の深さは、世界中のコアなリスナーに根強く支持されつづけている。

これまでに、12k、and/OAR、BASKARU、Anticipate Recordingsから通算5枚のソロアルバムを、scholeからdaisuke miyataniとのコラボレーション作品をリリース。Taylor Deupree、Andrew Deutsch、Kenneth Kirschner、中村としまる、Daisuke Miyatani、青木隼人、Kyoka、o.blaat、Amephone、HYPO、Ryan Francesconi、ARAKI Shin、内田輝、haruka nakamura、kynd、小松宏誠などと即興演奏やコラボレーションを行ってきた。2011年、スペインのSONARフェスティバルでプラネタリウムのための音と映像作品を制作。2012年、GwaGwaのインスタレーション東京ミッドタウン5周年記念アート「いつつのゆびわ」の六本木アートナイト演出を担当し、音と光で作品を彩った。2014年元旦、NHK FMラジオ「坂本龍一ニューイヤー・スペシャル」に坂本龍一氏とのセッションとトークで出演。2014年3月、表参道CAYにて大平貴之氏のMEGASTARプラネタリウムと共に浮遊感あふれるパフォーマンスを行った。2016年から8シーズン連続で、ファッションブランドsupport surfaceのファッションショーのサウンドデザインを担当。

これまでに、Sonarフェスティバル CosmoCaixaプラネタリウム(バルセロナ)、MUTEKフェスティバル (カナダ)、 Gladeフェスティバル(イギリス)、 Resonance FM(ロンドン)、Institute of Contemporary Art London (ロンドン)、TONIC、Knitting Factory、DiaPason、Issue Project Room、Le Poison Rouge、スターバックスサロン(NYC)、OFFFフェスティバル(リスボン)、Armory Show、World Financial Center、Warmup at P.S.1/MoMA(ニューヨーク)、バトファー (パリ)、 Kunstraum Walcheturm (チューリッヒ)、gift_lab、VACANT、offsite、CALM & PUNK Gallery、SUPER DULUXE、EMAF TOKYO at Liquid Room、渋谷金王八幡宮、神谷町光明寺、SOUP(東京)、岡崎城能楽堂(愛知)、アップルストア心斎橋(大阪)、m12 (ベルリン)、Corcoranギャラリー (Washington DC)、UCLA Hammer Museum (LA)、MACBA(バルセロナ)、Fiskeプラネタリウム(コロラド)、Interferenze (イタリア)など世界各地でパフォーマンスを展開。

米国の人気リアリティショー「America’s Next Top Model」やアウトドアメーカーArcteryxとGORE-TEX® のプロモ映像、Patagonia社製作の木についてのドキュメンタリー「Treelines」、カナダのドキュメンタリー映画「GEEK GIRLS」などに楽曲が使用され、2021年のアースデイにはAesopのためにプレイリストを制作。NYCのギャラリーHaunch of Venisonで展示されたBrian Alfredのアニメーション作品「It’s Already The End of The World」などのサウンドデザインも手がけてきた。また、これまで 「Listening through the Noise : The Aesthetics of Experimental Electronic Music」 (Oxford University Press) 、「Handmade Electronic Music ―手作り電子回路から生まれる音と音楽」(Nicolas Collins著・オライリージャパン) 、「Transmission Arts : Artists and Airwaves” (PAJ Pablications) 」などの本の中で作品について紹介されてきた。

音の領域だけにとどまらず、デジタルアーティストとして、シグナルスケープ、サウンドスケープ、アンビエントインフォメーション、時空間と軌跡、日常の中のささやかな物語などをテーマに活動。2016年ごろからは、古の叡智や周波数・身体・拡張現実・非線形についてリサーチを進める。World Forum of Acoustic Ecology(オーストラリア)、バークレー音楽院(ボストン)、文化学園大学(東京)、Programmable Media II: Networked_Music(ペース大学、NYC)等でアーティストトークも行い、2009年にはフロリダのDolphin Research Centerでイルカの認知に関するサマーコースを受けるためJerome FoundationからGrantを獲得。

幼少時に金春流能楽とクラシックピアノを習い、慶応義塾大学環境情報学部卒業、New York University Interactive Telecommunication Programで修士号。2015年6月より、表参道COMMUNEにある「個を立たせて状況をつくっていく人が育つ学びの場」自由大学にて「DIYミュージック」の教授を担当。2019年4月より、フェリス女学院大学音楽芸術学部非常勤講師。それぞれが自分の持ち味を生かして輝けるクリエイティブな未来を創り出している。

また、これまでにTaylor Deupree、OVAL、David Toop、Mark Mcguire、Vashti Bunyan、Holly Herndon、Carsten Nicolai、Olaf Bender、Gareth Dickson、Mijk van Dijk、Yan Novak、Ulises Conti、Henning Schmiedtなどの通訳や、映像・ファッション・IT・VR・現代アート・日本文化・ライセンス契約・インターネットカルチャーなどの分野で翻訳や通訳を手掛けてきた。特に、電子音楽やテクノロジーに関する豊富な知識と、アーティストとしての現場経験を生かしたわかりやすい通訳には定評がある。

合わせて読む

DISC GUIDE

気分に合わせて新しい音楽を探す

VIEW ALL →
  • ASATO

    Mateus Asato

    楽器の”おいしい部分”を引き出す力があるというか、まるで素材の旨味を引き出すシェフのように感じますね。

    まるやまたつや

  • tokyo.sora original soundtrack

    菅野よう子

    初めて「こういう歌を作ってみたい」と思いました。

    Yoko Komatsu

  • Moth

    Mick Turner

    このアルバムを聴いていると、音楽と一緒に寄り添いつづけて生きるギタリストの生き方が聴こえてきます。

    Kenta Tanaka

  • The Gloaming 2

    The Gloaming

    制作前の時間や、運転中などに聴いて、モチベーションを上げています。

    Hirofumi Nakamura

MAGAZINE

音楽と生活の新しい接点に出会う

VIEW ALL →
  • ARTIST 19

    2026.05.07

    AI時代に追求する「自分らしいメロディ」 初のナイロン弦ギター作品で見せる、まるやまたつやの新たな音像

    AI時代に追求する「自分らしいメロディ」 初のナイロン弦ギター作品で見せる、まるやまたつやの新たな音像

    初の全曲ナイロン弦ギターによるEP『Frame of mind』リリース背景

  • ARTIST 18

    #PR 2026.04.23

    この世界は愛にあふれている。ピアニスト・Yoko Komatsuが「あなたが、ひかり」と歌う新アルバムに込めた願い

    この世界は愛にあふれている。ピアニスト・Yoko Komatsuが「あなたが、ひかり」と歌う新アルバムに込めた願い

    息子や震災、復興へ寄せた新作『ひかり』の全曲背景

  • ARTIST 17

    2026.04.16

    ギターで「不知」と向き合い続けて。Kenta Tanakaが7年かけて辿り着いた“自分の音”

    ギターで「不知」と向き合い続けて。Kenta Tanakaが7年かけて辿り着いた“自分の音”

    初のソロアルバム『Poetics of Non-Savoir』の制作背景

SOUND DIARY

アーティストの音日記を覗く

VIEW ALL →
  • 2026.06.05

    Nikko National Park — Awakening of Lake Yunoko

    Soundscape Diary

    斉藤尋己

    斉藤尋己

  • 2024.10.30

    The Forest of Amami-Oshima Island Around Sunrise

    Soundscape Diary

    斉藤尋己

    斉藤尋己

NEWS

最新の穏やかな音楽情報を知る

VIEW ALL →
  • 2026.06.07

    NAKAMURA Hiroyuki、武満徹の問い「ピアノと聴き手の距離」を再解釈した新アルバム『Piano Distance』6/26リリース

  • 2026.05.27

    DawnLuLu、“誰かに届けたい想い”と“それでも届かない想い”を映し出す新作EP『plated p.s.』5/27リリース

  • 2026.05.27

    sukima、「長い旅路」がテーマとなった2ndアルバム『Passage of time』を5/27リリース

  • 2026.05.25

    山中湖で"景色に寄り添う音楽"イベント6/6開催。Tomotsugu Nakamura、Tatsuro Murakami出演

ABOUT

生活風景に
穏やかな音楽を

『Ucuuu』は、穏やかな音楽の魅力を発信するAmbient Lifescape Magazine(アンビエント・ライフスケープ・マガジン)です。

アンビエント、エレクトロニカ、インストゥルメンタル、アコースティックギターやピアノなど、「穏やかな音楽」は日常にBGMのように存在しています。

木漏れ日のように、日常に当たり前のようにありながらも強く認識はせず、でも視線を向けると美しさに心癒されるような「穏やかな音楽」の魅力を多面的に発信しています。

VIEW MORE →